2018.09.25あじさいと雅楽を堪能! 供養祭でのミニコンサート
合同供養祭とあじさい祭り
浄土真宗の佛心寺では、雅楽を取り入れた法要をしています。
2018年6月17日、佛心寺は、合同供養祭に招かれ、雅楽を演奏いたしました。会場となったのは埼玉県比企郡の金泉寺(きんせんじ)さんの本堂です。金泉寺さんはあじさいで有名なお寺で、この時期はあじさい祭りが開催されています。この日はちょうど前日にテレビで紹介されたこともあり、境内は大変賑わっていました。
赤、紫、ピンク、白……。お寺の脇に迫る小高い山には住職さんが少しずつ植えてこられた5,800株のあじさいが咲き咲き誇り、その風景は圧巻! ゆったりと歩きながら、一つ一つ丁寧にあじさいを愛でる皆さんの姿が印象的でした。
お寺の周りには屋台が立ち並び、焼き鳥や焼きそばのおいしそうな香りが漂うお昼時、演奏会場の本堂には、100名を超えるお客様が集まりました。供養祭に参加された方だけでなく、満開のあじさいを見にいらした方々も本堂に集まってくださいました。老若男女問わず皆さん、普段なかなか触れることのない伝統文化に、興味津津のようでした。
アルファ波でリラックス、古典曲と童謡に心癒される
演奏前のご挨拶では、まず皆さんの雅楽に対するイメージをお尋ねしてみました。「教会、お寺、神社。この3つの中で、雅楽と結びつきが深いのはどこだと思いますか?」この質問には多くの方が神社に手をあげました。「実は雅楽の原型になるものは、仏教とともに大陸より伝わってきたのです。もともと仏教の法要では、雅楽が演奏されていたのです」、とお伝えすると、会場からは「そうなんだ」 「知らなかった」と驚きの声が漏れました。
「古典曲のゆったりとしたテンポと、雅楽独特のゆらぎの音はリラックス感を誘います。雅楽は脳のアルファ波を引き出す効果もあるので、眠くなる場合がありますから、眠ってしまっても大丈夫です」という司会者の説明に笑いがもれたひと幕も。
いよいよ演奏が始まります。まずは、雅楽で最も有名な曲である「越殿楽(えてんらく)」から。篳篥(ひちりき)と龍笛(りゅうてき)、 笙(しょう)の3つの楽器が織りなす音色に、目をつぶりじっくりと耳を傾ける方が多く見られました。
越殿楽が終わると、会場からは盛大な拍手が起こりました。演奏する楽人が3人とも若い女性であることに、驚かれた方も多かったようです。また、それぞれの楽器の紹介もいたしました。雅楽器を初めて間近に見た方も多く、大変興味を持って耳を傾けてくださいました。なじみ深い童謡の演奏には、一緒に歌ってくださる方や、リズムに合わせて身体を揺らしている方など、それぞれに楽しんでくださっている事が伝わりました。
演奏終了後、「法要だからお経や法話も大切だ けど、雅楽の澄んだ音色が添えられたことで、 何となく供養が深まった気がしましたよ」とのご感想もいただきました。このような活動を通し、少しでも伝統文化が広まっていくと良いと思います。これからもお寺の役割として、歴史や文化を守る活動を続けていきたいと思います。
(取材部:岡田)
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