2019.01.18引き取り手のない「ご遺骨の預かり支援」を始めました

超高齢化社会の日本が直面する「無縁遺骨」の現実

単身の高齢者や未婚者が増加し、親族同士の関係も希薄になっている昨今。誰にも管理されることなく荒れてしまう「無縁墓」だけでなく、身寄りがなく引き取り手のない「無縁遺骨」が増えている現状があります。まだあまり知られていない社会問題ですが、最近ではテレビなどのニュースでも取り上げられる機会が増えつつあり、現実が見えてきはじめました。

身寄りのない死者は、原則的に公費で火葬されます。一方で、遠縁でも身寄りがある場合にはその親族が火葬・埋葬を委ねられ行うようになります。最低でも火葬一式の費用(約20~30万円 ※火葬場による)を必要に迫られて負担し、さらにご遺骨の埋葬先を定めなければなりません。しかし、埋葬には費用と時間がかかることから、遺族が引き取りを拒否してしまったり、連絡しても返事がなかったりするケースが大半を占めるそうです。

このような場合、自治体が埋葬を代行することになるのですが、ご遺骨を保管する場所や埋葬先の確保に関しては、いまだ問題が山積しています。また、ご遺骨の引き取り手がいた場合でも、経済的事情などからすぐに埋葬することが難しいだけでなく、そこから先の供養を個人や家で行い続けることも難しいという方が多くいらっしゃると伺いました。

 

引き取り手のないご遺骨の預かり支援

そこで、このような問題を解決する一助になればと、一般社団法人恩送りでは、多方面からのご要望に応えるべく「引き取り手のないご遺骨のお預かり支援」を開始いたしました。

“亡くなられた後にも、人としてきちんと扱われ、供養される世の中でありたい…”

恩送りに賛同してくださっている方々の切なる想いが支援の実現へと向かわせました。

今回、区役所などから引き取り手がない46名のご遺骨をお預かりしました。中には、名前の分からない方もおられます。皆さまきっと、一人ひとり様々な人生を歩んでこられたことでしょう。家族や友人と笑いあい、仕事に励み、苦しいことがありながらも、一生懸命生きてきた…。生を受けたもの誰もが歩む、そのようなかけがえのない人生に想いを馳せると、胸が熱くなります。

 

一般社団法人恩送りでは5年間大切にお預かりします

恩送りでは、いつ遺族の方がご遺骨を引き取りに来られてもいいように、一般社団法人恩送りの僧侶達が、まずは5年間大切にお預かりして供養させていただきます。その間、家族や遺族の方に代わって、誠心誠意手を合わせてお守りします。日々、苦労苦難の中を生きられた、一人ひとりのかけがえのない人生のために、ささやかではありますが供養を行い、同じ人間として過ごした人生の最期が、少しでも“あたたかな終いとなるよう”お手伝いができれば幸いです。もし、5年経っても引き取り手がみつからない場合は、一般社団法人恩送りが用意したお墓に心を込めて埋葬させていただきます。恩送り会員のみんなで力を合わせて、ご遺骨を大切にお守りしてゆきます。

 

お墓・ご遺骨のことでお困りの方へ

代々受け継がれているお墓は、50年100年と長期的に考えていく必要性があるもの。

しかし、核家族化が進み単身世帯も多く、現代では「家」や「個人」が供養の主体となって、お墓を守りにくい時代になってきています。お寺に寄せられる相談の多くもこのことです。

“お墓の管理を任せられたら…。負担が少ない埋葬方法があれば…。”

そういった声に応えようと、一般社団法人恩送りでは、私たちが供養の主体を担い、家族の代わりに、ご遺骨やお墓をずっと守っていける体制を整えています。皆様は思い立った時にお参りくださればよいので、気持ちが楽になることでしょう。時代や環境に関わらず、安心して供養をお任せいただける存在として、皆さまに寄り添って参りますので、少しでもお悩みの方は遠慮なくご相談ください。