2019.07.19里親支援で子どもたちの輝く未来を作りたい/太田博介さん
Amazon書籍の子育てカテゴリランキングで1位に輝いた『親バカのすすめ』の著者であり、ミスターユニバーサルアンバサダー初の日本代表としてチャリティー活動に取り組む太田博介さん。
現在は、「赤ちゃんともち」を活かした里親支援や児童福祉施設への寄付支援などに力を入れていると語ります。
児童福祉施設の子どもたちをサポートし、里親というあり方をより多くの人に知ってもらうために何をすべきか。現在の活動や課題、今後の目標についてお話を伺いました。
子育てアナリストとして里親と子どもの関係づくりをサポート
新田 里親支援について、どのような活動をされていますか?
太田 一般財団法人子育てカウンセラー協会の子育てアナリストという資格を活かして、里親と子どもが良好な関係を築くためのお手伝いをしています。このツールを用いて親と子どもの個性を分析し、お互いの個性を理解した上でコミュニケーションをとれるようにしています。また、勤務先である外資系生命保険会社の寄付金プログラムで、児童福祉施設への寄付が増えるよう啓もう活動を行っています。
新田 なぜ里親支援をしようと思われたのでしょうか。
太田 『親バカのすすめ』という書籍を出版しており、学習塾や歯科医院などで「赤ちゃんともち」を活用した子育てセミナーを開催していました。また、ミスターユニバーサルアンバサダー初の日本代表として、子育てに関するチャリティー活動を行っていました。そんなある時、同じく「赤ちゃんともち」の資格を持った仲間が2人の子どもの里親となったんです。そこから里親や児童福祉施設の課題が分かり、支援に取り組むようになりました。
新田 課題にはどのようなものがありますか?
太田 日本には児童福祉施設が600か所あり、3万人の子どもが生活しています。施設に入る子どもは親が事故で亡くなっていたり、虐待を受けていたりと様々な背景があります。そして、サッカーボール一つ購入するのにも施設の予算が関わってしまい、自由に遊ぶことすらままならないのです。そのような子どもたちに必要なのは、ずばり愛とお金です。そのためにも、里親や児童福祉施設のことを人々に知ってもらい、里親の希望者を増やして、より多くの寄付金を集めることが重要になると考えています。
また、里親は不妊治療の末に希望される方が多い傾向にあります。しかし、不妊治療をしながら同時に里親になることも視野に入れてはいかがでしょうか。まだまだ里親という認知度が低いので、里親のチャリティーパーティーをお手伝いするなど、人々に理解を深めてもらうための活動をしています。
新田 なるほど。里親になる方はどのような方が多いのですか?
太田 どうしても子どもが欲しい!という方が中心で、その他にも週末里親として子どもをホームステイ的に受け入れる方もいます。
新田 週末里親という活動は初めて知りました。とてもいい取り組みだと思います。日本で里親があまり浸透していない理由はあるのでしょうか。
太田 宗教や価値観の違いは大きいと思います。例えば海外の富裕層は当たり前のように里子を受け入れていますし、フランスでは里親が一般的なので児童福祉施設が存在しません。キリスト教社会では、子どもの頃からおこづかいの一部を恵まれない人に寄付する文化があり、富裕層は人や地域のために尽くすことが当然です。しかし、日本ではあまりそのような文化がありません。
また、日本でも昔は養子を迎えるのが一般的でしたが、現在は家を残したいという価値観が薄れています。そのため、里子を受け入れて家を残すという思いにまでは至らないケースが多いのだと思います。
新田 家を残す文化が薄れていることに関しては、お墓にも影響が出ているように感じます。今後、取り組んでいきたいことはありますか?
太田 日本では、元気な子どもが自立していくための支援への意識が薄い状態です。教育支援にお金をかけることが、日本の未来を作ることになると思います。そのためにも、児童福祉施設の課題をより多くの人に理解してもらい、保険会社の社員としてできる限りたくさんの寄付ができるよう活動していきたいです。また、より多くの方々に里親について知ってもらい、もっと当たり前に捉えてもらえるようにしたいです。そのためにも、「赤ちゃんともち」を活用して里親というあり方に親近感を持ってもらえるようにできればと思います。
様々な側面から里親支援活動に取り組む太田さん。輝く瞳と爽やかな笑顔で目標を語る真摯な姿が印象的でした。
児童福祉施設の現状を知り、一人ひとりが里親について理解を深めて行動することは、子どもたちと日本の未来を切り開くためにも重要なことだと感じました。恩送りは、今後も社会貢献に取り組む人々や団体を支援し、メンバーや皆さまの協力を得ながら成長していきたいと思います。
今回取材させていただいた方はこちら!
太田博介氏:ファイナンシャルプランナー、子育てアナリスト
制作・発行 一般社団法人恩送り
東京事務局:豊島区雑司ヶ谷3丁目7-1-1階