2023.01.29ベネズエラ大使館に行ってきました

すべての子どもたちに希望と誇りを。
南米ベネズエラから始まった音楽活動「エル・システマ」

 世界最大の滝やイルカの泳ぐ川がある南米の自然豊かな国、ベネズエラ。この国で、ホセ・アントニオ・アブレウ博士によって始められた音楽を通じた青少年育成、犯罪防止プログラム「エル・システマ」という活動をご存じでしょうか。家庭状況にかかわらず、すべての子が無償で音楽教育が受けられる仕組みを原点とし、子どもたち自ら協調性や規律を学び、目標に積極的に取り組んでいく姿勢を育み、希望や誇りをもつことを目的とされています。その活動は子どもたちを犯罪や暴力から守り、ポジティブな影響を与えてきているとしてユネスコ、米州開発銀行等の外部機関からも評価され、世界70以上の国・地域で展開されています。
また白い手袋をして歌の世界を表現したことで、ホワイトハンドコーラスと呼ばれ、視覚・聴覚障害や自閉症、発声に困難を抱える子どもたちも活動しています。

すべての子どもたちに希望と誇りを。南米ベネズエラから始まった音楽活動「エル・システマ」

 

徐々に認知されてきた日本での活動

 先日、このすばらしい活動の発祥の国・ベネズエラの大使館を訪問し、ベネズエラ大使と日本でのエル・システマ(ホワイトハンドコーラス)活動の第一人者であり、代表のコロンえりかさんと意見交換会を行いました。

徐々に認知されてきた日本での活動

 日本では東京ハンドコーラスとして2017年に聴覚に障害のある子どもたちを中心に、「手歌」の取り組みからスタート。現在は「手歌」だけではなく、視覚障害の子どもたちを中心に家庭の事情や障害の有無に関わらず、誰もが参加できるコーラス活動です。また、東京ハンドコーラスのみなさんはNHKのお母さんといっしょにも出演されており、徐々に広く知られるようになってきています。

動画もアップされていますのでぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=r9fQgVsi4WY

エルシステマ・コネクト
https://elsistemaconnect.or.jp

 

活動を通して認め合える共生社会へ

 日々の練習は、状況に合わせてオンライン練習を組み合わせながら対面での練習を続けています。様々な制約を一緒に乗り越え、また一人ひとりが自分の課題に向き合い、日々の練習や舞台での経験を重ねる中で、コーラスとしての結束も一層強くなっているようです。
子どもたちは、様々な年齢、特徴をもつ友達と互いに認め合い、支え合い、一緒にハーモニーをつくり上げていくことで、仲間を大切に思う気持ち、自分の考えを表現する力、チャレンジする意欲など、多様な社会で生きる力をはぐくんでいきます。視覚に障害のある子どもたちも在籍しており、日々の練習では耳で覚えていきながら歌う力を着実に身につけています。これまでに、国内外の演奏家やエル・システマで学ぶ多くの子どもたちと、コンサートで共演し、共に奏でる喜びを分かち合ってきました。
身近な芸術活動を通し、多様性をポジティブにとらえていくことで、共生社会の実現へとつながることを願っています。

活動を通して認め合える共生社会へ

写真は、代表のコロンえりかさん・ベネズエラ大使館の石川大使