2019.02.14LGBTの終活、仏教界が対策本腰
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LGBTの終活に関する記事です。
お時間のある際にご覧になってみてください。
LGBTを理解し、葬儀やお墓に関することで当事者を支えようとする動きが、仏教界に広がりつつある。僧侶らが多様な性を肯定できるように研修を受けたり、トラブルを未然に防ごうと対策を考えたり。人生の締めくくりを準備する「終活」と絡む問題としても注目されている。
浄土宗清光寺(せいこうじ)(東京都台東区)の岡本幸宗(こうしゅう)住職(56)は平成29年、女性として生きてきた30代男性の葬儀を行った。体と心の性が一致しないトランスジェンダー。希望していた性転換手術を受ける前にがんで早世した。
生前にカミングアウトされていた岡本住職は家族と話し合った結果、女性として見送ることにした。遺影には女性としての写真を用い、戒名も男性を指す「居士(こじ)」ではなく、女性に使う「大姉(だいし)」と付けた。
「ご本人が納得して極楽浄土に行けるよう、生き方に沿ったお見送りがしたかった」と岡本住職。「心を開いてもらえるお付き合いを、僧侶が日頃からしておく必要がある」と話す。
■仏教精神に共通
浄土宗大阪教区教務所(大阪市天王寺区)は昨年12月、LGBTをテーマにした僧侶向けの研修会を開いた。
講師に招かれた浄土真宗本願寺派僧侶で龍谷大非常勤講師の中平了悟さん(41)は、学生から「性同一性障害の治療のため」と書かれた授業の欠席届を受け取ったとき、どう対応していいか困惑した経験があったという。以来、兵庫県尼崎市の自坊で、LGBTについて地域住民や当事者らと語り合うイベントを開催してきた。
中平さんは「多様な性の在り方を認めることは『あなたは、他の誰でもないあなたの人生を生きている』と伝える仏教のメッセージに通じる」と指摘。浄土宗大阪教区の中山正則教化団長は「各自が固定観念を排し、僧侶としての自覚を持って活動するきっかけになった」と語った。
■ガイドライン制定
僧侶が創業し樹木葬や寺院の支援などを行う株式会社アンカレッジ(東京都港区)は、LGBTがカップルで寺院墓地に入る際に寺院が配慮すべき点を、近くガイドラインにまとめる。
LGBTのカップルは婚姻が認められておらず、さまざまな権利が制約されている。お墓を守る「祭祀(さいし)主宰者」をだれにするかといった課題や、のちに家族が遺骨を取り戻しに来るトラブルも想定する必要があるという。
伊藤照男社長は「内縁関係や子供のいない夫婦にとっても、終活やお墓の問題でLGBTと共通する悩みがあるはず。さまざまな人にガイドラインを役立ててもらえれば」としている。