2019.02.04墓を移す「改葬」10万件突破 コストや手順を専門家が解説
こんな記事を見つけました。
最近、徐々に増えてきている遺骨のお引越し「改葬」の手順についてです。
お時間のある際にご覧になってください。
参照元:Yahooニュース 日刊ゲンダイ https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190124-00000013-nkgendai-life
田舎の両親が亡くなったあとは、先祖代々の墓をだれが守るのか――。これも真剣に考えなければならないテーマだ。墓参りのためだけに田舎に帰るのは現実的ではない。最近は遺骨を引っ越す「改葬」が増えている。その手順は?
厚労省の「衛生行政報告例」によると、改葬件数は2017年度に10万4493件とはじめて10万人を突破した。Uターンを希望していなかったり、一人娘で嫁いでしまったりして、簡単に代々の墓の面倒を見られない場合、自身や子ども世代の負担を考えると改葬が現実だ。
それでは、墓の引っ越し費用はどのくらいかかるのか。
「手順として、これまでの墓を更地にする必要があります。墓石の処分代は一般的に40万~50万円、墓石から魂を抜く“閉眼供養”としてお寺に20万~30万円のお布施がかかります。その後、移した先でかかる費用も含めて、最低100万円の予算は見ておきたいですね。引っ越しに関する税制優遇はありませんが、お墓には相続税がかかりませんので、新たな墓を設けて墓石も考えているのなら生前に済ませたほうが得です」(葬儀相談員の市川愛氏)
墓を処分した後は、改葬先の墓地・霊園の管理者に「受入証明書」を発行してもらう必要がある。
そのためには、代々の墓があった自治体の役場窓口で、改葬許可申請書をもらい、記入押印した上で、改葬先に提出しなければならない。
「お墓のあったお寺には印鑑ももらわなければなりません。一般的には閉眼供養時にお布施を払っているので、スムーズにいくことは多いですが、トラブルもあります。相談者の中には『離檀料を払ってほしい』と200万円請求された事例もありました。宗教の自由がありますし、法律的に応じる必要はありません。このケースでは、お寺側に『弁護士に相談する』と伝えたところ、手を引いたと聞きました」(市川愛氏)
コストを考えれば、新しい菩提寺よりも、近所の納骨堂を探すほうがいい。
「お墓のように掃除したりする世話も不要。納骨堂の費用は30万~80万円くらいなので、100万円以上する墓石よりも割安です。彼らの息子、娘である30、40代は寺との付き合いがないし、お布施を払うのに抵抗もある。改葬を機にお墓を処分してしまう人は増えています」(市川愛氏)
近年は、寺とのしがらみのない葬儀や法要も人気で、ネットで僧侶を派遣してくれるサービスを利用する人も多い。必ず墓で供養しなければならないという時代ではない。
自分に子どもがいなければ、「合葬墓」という手もある。複数の遺骨を合同で埋葬する方法で、都立小平霊園は5万9000円、八柱霊園5万2000円と経済的。小平霊園などは抽選式で応募が殺到し、24・0倍(2017年度)と高倍率になるのがネックだが、身寄りがなかったり、継承者がいなかったりと自身の供養にこだわらない人に受け入れられている。
「合葬では、樹木葬や墓石のかわりにモニュメントなどが建てられます。特定の遺族が訪れなくても、『公園に訪れた人たちに見てもらえるから寂しくない』と捉える方も少なくありません」(市川愛氏)
先祖には申し訳ないが、だれも面倒を見ないところで眠っているよりもいいかもしれない。