2018.10.15アルコール依存 フォーラム
依存症の中でも、予備軍も含め特に多いと言われているアルコール依存症
2003年に実施された全国成人に対する実態調査によると、飲酒日に60g(純アルコール量として)以上飲酒していた多量飲酒の人は860万人、アルコール依存症の疑いのある人は440万、治療の必要なアルコール依存症の患者さんは80万人いると推計されています。
参考文献:尾崎米厚, 松下幸生, 白坂知信, 他: わが国の成人飲酒行動およびアルコール症に関する全国調査. アルコール研究と薬物依存 40: 455-470, 2005.
アルコール依存とは、仕事や大切な家族、趣味よりも、はるかに優先させてしまう状態。
アルコール依存症からの回復を考えるフォーラムが10月12日、佐賀市のアバンセで開かれた。依存症治療の専門医による講演や、自助グループへの参加で生活リズムを取り戻した体験者の話などを通して、参加者が回復に向けた相互支援の重要性を認識した。
フォーラムは「アルコホーリクス・アノニマス」(AA)の九州・沖縄地域委員会矯正小委員会が企画し、佐賀では2009年以来の開催。会場には依存症患者をはじめ保護司ら約100人が詰めかけた。
基調講演は肥前精神医療センターのアルコール・薬物依存症担当医の武藤岳夫氏が登壇。武藤氏は「遺伝的や心理的など四つの要因で誰でもアルコール依存症になりうる」と説明し、「基本的に依存症は慢性疾患として捉え、継続的な治療が必要」と強調した。
回復に向けた有効な治療手段として自助グループの参加を取り上げ、「新しい仲間ができることで、孤独にならず支持と共感により生き方を変えるきっかけになる」と訴えた。
また、依存症からの回復につなげたAA会員3人が体験を語った。依存症で病院や更生施設に入所した経緯を詳しく話し、「自助グループに参加することで生活リズムを取り戻し就職など社会参加につながった」と紹介した。
企画を担当したAA関係者は、「予想を超える参加者で驚いている。佐賀でのアルコール依存症の根深さを感じる」と話した。佐賀新聞より