2018.11.21なぜ人々は『孤独』を求めながら、同時に『孤独』を恐れるのか。
雑誌の紹介記事に目がとまりました。「孤独の時代」・・
読んでみたい内容です。下記紹介文を掲載しました。ご興味ある方は是非ご覧ください。
「孤独死」や「終活」など「おひとりさま」の老後をテーマにした特集を掲載する雑誌が増えているなか、月刊誌『文藝春秋』の12月号(11月10日発売)が、「孤独のすゝめ」という特集をしています。作家の五木寛之さんなど各界の著名人が「おひとりさま」の生き方や最期について語っています。
文藝春秋編集部の石井一成さんは「今『ひとりで生きること』が世の中で関心を持たれています。この特集が新しい『孤独の時代』の処方箋になれば」と語っています。
五木さんにとって、充実した人生の終わり方とは「豊かな記憶に包まれながら、一人で静かに死んでいくこと」。大島渚、青島幸男、小田実など、同年代の親しい文化人たちが他界していったとき、五木さんは寂しさを感じなかったそうです。
それは、彼らが「回想の中で色濃く生きているから」。過去の記憶にリアリティがあるため、亡くなった人たちが現在も存在しているような感覚だといいます。
一方、今年3月出版の『極上の孤独』(幻冬舎新書)がベストセラーになった作家の下重暁子さんは「群れない時間を過ごすための十冊」を紹介しています。
「『孤独の友』といえば、なんといっても読書」という下重さん。孤独を楽しむための本には2種類あると語ります。「ますます孤独のどん底につき落としてくれるような本」と「和やかに孤独を慰めてくれる本」です。前者の例として萩原朔太郎の詩集『青猫』、後者の例として太宰治の『津軽』などを挙げています。
文藝春秋編集部の石井さんは、こうした特集を企画した背景について次のように語っています。
「今、『おひとりさま』が増えているという社会的背景があります。ライフスタイルが変わったことで、親子、夫婦、家族がともに暮らさない暮らしの形が一般的になりました」
多くの人が「おひとりさま」の生活を楽しんでいるように見える一方で、集団から疎外されることに恐怖を感じる人も多いといいます。
「たとえば、空気を読み、多数意見から外れないよう心を配り、SNSが炎上しないよう気を遣っています。なぜ人々は『孤独』を求めながら、同時に『孤独』を恐れるのか。こういう両義性があるからこそ、人は『孤独』に関心をもつのではないかと考えました。新しい『孤独の時代』の処方箋を、各界のベテランたちに聞いています。ぜひ、ひとりでも多くの方に読んでいただけたらと思っています」
https://www.danro.bar/article/11958276
DANRO編集部「ひとりを楽しむ」をコンセプトにしたウェブメディア