2019.01.21犬猫の「殺処分ゼロ」を目指す動物病院の挑戦ー殺される動物たちを少しでも減らしたいー

こんな記事を見つけました。

動物愛護活動歴30年の経験を駆使し、犬猫殺処分ゼロに向けて活動をしている結昭子さんという女性のお話です。

定期的に里親会も開催しているようです。

恩送りでも、殺処分ゼロの活動・ペットの里親支援をしています。

日本の大きな社会問題の一つである殺処分問題を解決するために、恩送りも仏教という立場から貢献していきます。

参照元(文章・写真):東洋経済オンライン GARDEN Journalism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事

https://toyokeizai.net/articles/-/260264


「『野良猫が自分の家の敷地内などで産んで困った』ということで引き取る形がほとんどです」。こう話すのは、「犬猫救済の輪 TNR日本動物福祉病院」代表の結昭子さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬猫の殺処分がいまだに約4万匹(※1)を超える中、動物愛護活動歴30年の経験を生かし、犬猫殺処分ゼロに向けて具体的かつ効果的なアクションを続ける女性です。

(※1)殺処分数(平成29年度)43216匹(犬8362匹、猫34854匹)。環境省自然観光局「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」より

「(保健所や動物愛護センターなどの施設に)収容されて、どこかが引き取ってくれないと数は増える一方。その数があまりにも多すぎるので、殺処分やむなしとなってしまう。センターとしても、できる限り受け入れないようにしています。(猫が2〜3カ月の状態だと)外にいても生きていけないから『引き取るべきだ』という人も多いのですが、引き取ったら殺処分にするしかないという現実があります」


 

飼主のいない動物にも充実医療と不妊手術を

結さんが動物愛護活動を始めたきっかけは、神奈川県川崎市に移り住んだ30年ほど前のこと。

「外に猫ちゃんがたくさん目に入ってきて。その中にはお腹の大きい子もいて。こんな所で雨が降ったらどうなるんだろう、育てられないだろうなと感じ、連れて帰ってうちで産ませてあげました。子猫ちゃんはもらい手さんを探し、お母さんは不妊手術を。2匹くらいそんなことをしていたら、子猫が10匹になってしまって。これじゃもらい手さんを探すのも無理だし、ひたすら手術をしなければだめなんだなと。不妊手術の大事さがわかりました」

結さんが仲間とともに2010年に開設した「TNR日本動物福祉病院」では、日本中の犬猫殺処分ゼロを目指し、主に猫の不妊手術を実施。その数は、毎月約150頭にも及びます。不妊手術費用はメス6000円、オス5000円と抑え、一般診療やペットホテル等の利益でまかなっています(※2)。

(※2)日本獣医師会による、家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)によると、猫の去勢手術 1万2652円、猫の避妊手術(卵巣切除)1万9833円、猫の避妊手術(卵巣子宮切除)2万0986円(中央値)。日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)より

「TNR」とは、地域猫を捕獲(Trap)し、不妊去勢手術(Neuter)を施し、元の場所に戻す(Return)活動を意味します。「TNR」の取り組みを進め、野良から生まれる子どもを減らし、行政による収容を減らし、譲渡を進めることで殺処分をなくす。そんなサイクルを実現し、望まれず生まれ殺処分される不幸な命をなくそうと、不妊治療をしやすい環境作りに向けて尽力してきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、「TNR日本動物福祉病院」では、保護されたものの譲渡の難しい傷病猫たちへの治療も行っています。病気やケガをした飼い主のいない動物に充実した医療を提供し、次の飼い主を見つけるのが使命です。

「小さい時に風邪をひいて角膜が白く濁ったり、結膜の上下がくっついたり。(野良猫は)外で環境に恵まれていないから、みんなちょこちょこそういうことがある。でも早く見つけて治してあげるといいところまではいく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野良猫が病気にかかっていたとしても、動物福祉に考慮して医療を受けられる病院があれば、医療費の不安に躊躇せず手を差し伸べることができるといいます。


 

殺処分ゼロ実現に、里親譲渡

結さんの活動は、着実に成果を見せ始めています。

「TNR日本動物福祉病院」が2009年に譲渡団体として登録した「神奈川県動物保護センター」「川崎市動物愛護センター」では、2013年に殺処分ゼロを実現し、今も継続しています。

2005~2012年度まで連続で殺処分数全国ワーストを記録していた茨城県についても、2016年から「TNR日本動物福祉病院」が本格的に収容猫の引き取りを開始し、2018年4〜8月は殺処分ゼロを継続するまでに至っています。

「(今は、保護室にいる)90%以上が茨城県動物指導センターから。どこかで生まれて、茨城県のセンターに収容された子たちです。1回に20〜30匹を引き取り、今は保護室に約40匹います。小さい時に来て、ミルクから育てたりして、みるみる大きくなってくれています」