新しい文化、新しい価値観との出会い

私の生まれた滋賀県長浜市にある佛心寺の本坊は、300年以上の歴史を持ち、お寺と地域との関係性も非常に豊かで、色々な方に「お育て」いただけるようなとても恵まれた環境でした。そして十数年前に、私自身初めての経験でもある『都会』へと足を踏み入れました。そこでは、今まで私が当然だと思っていたことのすべてが、必ずしもそうではないということに気付かされたのです。

お寺にできること。僧侶にできること

お寺にできること。僧侶にできること

東京は地方と比べ、人口はもちろん、文化や考え方など、さまざまな部分で差を感じることが多くありました。「人はたくさんいるのに、人とのつながりが深まりにくい」そんな風に感じたことを今でも覚えています。お寺として、僧侶として、何かできることはないか。何かをしたい気持ちが強くなる一方で、なかなかそれを実現できない焦りもあり、一人が持てる力の小ささを改めて考えさせられることに。しかし、そうした中でも少しずつ活動を続けていった結果、色々な方から「困った」の声を聞かせていただくようになってきたのです。

宗派をこえ、時代をこえて、つながる

宗派をこえ、時代をこえて、つながる

「困った」の声に対し、何かできることはないだろうか?考え、行動に移したいとは思っても、一人では越えられない壁が多くありました。しかし、このような悩みを抱えていたのは私だけではなかったのでしょう。活動を続けるうちに、少しずつ志を同じくする仲間が増えてきたのです。そうして、宗派や宗旨を超えて、お寺や僧侶たちが力を合わせて一歩を踏み出すためにスタートしたのが「恩送り」です。幸い、この思いに共感する仲間が次々と集まり、社団法人化することもできました。「一般社団法人 恩送り」は、今まさにスタートラインに立ったと言えるのです。

あたたかなつながりを、社会へ

あたたかなつながりを、社会へ

「恩送り」の活動はまだ始まったばかりです。一つ一つの活動は小さく、大きなものではありませんが、それでもあたたかなつながりに触れられる場を作っていきたいと思っています。さまざまな分野、色々な方と連携し、教えてもらいながら、私たちのできる範囲で、まずは活動を進めて行きたいと思います。どこまでできるのかは私たちにもわかりません。しかし、その場で立ち止まることなく、次の一歩を確実に踏み出して進んで行きたいと思いますので、「恩送り」のこれからに、どうぞご期待ください。